「ecoUVシステム」アート印刷様 内覧会開催
●’10.12.12
去る12月12日(日)、弊社ユーザーでいらっしゃるアート印刷株式会社様川崎工場において、オゾンレスUVランプと高感度UVインキを組み合わせた省電力タイプの「GRAFIX社製ecoUVシステム」搭載第1号機の内覧会を開催致しました。
当日は、午前10:30~11:30 午後は13:30~14:30まで2回に分けてプレゼンテーションと工場での実機見学を行い、関東一円から名古屋地区まで合わせて約70名と多数の方にご参加頂き、当システムに対する期待の高さを感じました。
「GRAFIX社製ecoUVシステム」を搭載した本システムのメリットは
- 速乾のため印刷後すぐに次の工程に移る事ができ納期が大幅に短縮される。品質的にもドライダウンが無い。
- パウダーが不要となる事から、それに起因するボタ落ち等のトラブル解消。
- 120W/cmのランプ1灯で乾燥可能なため消費電力が抑えられコストの低減につながる。
- UVランプからオゾンが発生する領域の波長をカットしているため、排気用の設備が不要(排熱ダクトは推奨)。
- 印刷紙面への照射距離が100mmを確保しているため厚紙の印刷も可能。
- 両面機へ取付けた場合、後刷りのユニットにセラミックスジャケットが不要となるので両面の印刷品質が同等となり、ジャケット交換の費用も不要となる。キズ、コスレの心配が無い。ドブがいらないので全面の絵柄を刷る事ができる。
- 従来のUV印刷機は、ランプを交換するだけで省電力化が実現できる。
- 既設機、他メーカーへの取付けが可能(条件による)
と言った項目が挙げられます。
プレゼンテーションの様子 プレゼンテーションの様子 ecoUVの印刷サンプルを見る方々
当日は冒頭に三菱重工印刷紙工機械㈱大倉野東京支社長が「当社では商業印刷や薄紙の分野において速乾性という特徴をビジネスモデルに変えてもらうための取組みとして従来LED-UVシステムを導入頂いているが、今回は初期投資額を抑えた「ecoUVシステム」を新たにラインナップした。アート印刷様では既設の6色機を改造して取付けたが、既設機への改造は新台購入に比べて投資額が低いので、新しいビジネスモデルに取組みやすくなる。当社ではこれから新台での搭載はもちろん、既設機への改造も含めて市場に広めて行きたい」と挨拶させて頂きました。
アート印刷有松社長様から「約2年半前に導入したDIAMONDの6色機に今回「ecoUVシステム」を設備して1ヶ月経過したが、24時間フル稼働で全く事故が起きていない。当社では年間で550種類もの紙を使用しており、従来は乾燥しにくい紙や印刷しにくい紙での事故が問題となっていたが、「ecoUVシステム」の導入でこれらの問題が解消し、当社にとって最も採算が良い機械になった。それに伴って難しい仕事も増えてきているが、それも難なく刷る事ができている。新台導入ではなく既設機への改造なので投資額も抑えられ、高いROI(投資効率)が得られている。社員の表情も明るくなり、他の機械へも相乗効果が出てきた」との高い評価を頂きました。
プレゼンテーションでは、三菱重工印刷紙工機械㈱設計グループ濱本主任より、三菱三原工場におけるテスト結果から当システムが「120W/cmのランプ1灯で、ベタ刷りにおいても最高16,200回転で充分な乾燥結果が得られた」「排熱運転をする事により、ランプ直下温度は約15℃下がりオゾン量もゼロになる」と言った報告と共に、システムの詳細や導入のメリット、対応インキ・ニスの開発状況について説明させて頂きました。
その後、参加者の皆様は現場に移動頂き、実機DIAMOND6色機での営業運転の様子と、事前に油性とecoUVで同じ絵柄を印刷したサンプルをご覧頂きました。
同じ絵柄を油性印刷とecoUV印刷で刷り比較して頂きました
油性印刷 ecoUV印刷
見学終了、質疑応答の後、グラフィックス・サービス・ジャパン野尻社長より「印刷事故の1/3はボタ落ちやコスレなど印刷終了後に起こる物で、これを何とかゼロにしたいと考えGRAFIX社に開発要請をし、8月に三菱三原工場でテストを実施した。アート印刷様では大変高い評価を頂いており、すでに既設のタンデムパーフェクター(両面8色機)へのecoUV搭載を5月頃に予定している。両面機の場合は更にecoUVによる効率化が期待できる。その後も他の機械への搭載を検討頂いている」との閉会の挨拶で内覧会を終了しました。
当日ご来場頂いた皆様、ありがとうございました。
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